小学校区優先の住み替え…、数年後の顛末とは
ある家族のお話です。
長女は小学校5年生、そこでできれば同一小学校区、 少なくとも中学校は同じ校区で、と不動産を探しはじめました。 いろいろな物件を見て回るうちに、 同じ地域でも条件によって価格が大きく違うことを発見すると同時に、 同じ価格帯では比較する物件が非常に少ないのに驚きました。 それでも1年あまり待っている間に、 「この地域でこんな物件が出れば買いかな?」 と相場感覚も身についたころ、まさに「そういう物件」が登場。 じっくり検討すばやく行動の鉄則に則ってさっそく契約。 見事、希望通りのマイホームをゲットすることができました。
さて、それから4年後。 長女が高校受験するときになって進路を聞いてみると、 なんと地元からかけ離れた学校へ行きたいと言うではありませんか。
もともと長女の小学校区で、という理由に固執して物件探しをしたせいで、 実家とも職場とも離れた場所で買ってしまっていたことに、 やっと気が付いたのです。そして長女が学区を離れる時になってしみじみ思うのは、
「なんでおれたちこんなトコに住んでるの?」
ということ…。
遠隔地への通学バスの定期代が月2万円にもなってしまうことに気がついて、 さらにその疑問は深まります。 それだけ余分にローンを組んでいたら、 もっといい場所はいくらでもあったのに!
資金計画をして購入価格を決定しても、 面積や程度によってどんな地域にも選択肢はあります。 子供の学校区でという要望や、少なくとも登校距離が2km以内でというご要望は、 実は物件探しのご要望の中でもダントツの1位。 しかし仮にその住まいに生涯住むのだとすると、 トータル40年以上になるわけですから、 5年か6年で終わる小学校の学区へのこだわりについて、 もう一度お考え直されてはいかがでしょうか。
こうした担当者自身の苦い経験(汗)を踏まえ、 さまざまなお客様の売買にも立ち会ってひとつ言えることは、 探す地域が広ければそれだけ選択肢も広がる、 選択肢が広がればそれだけ優良物件と巡り会う機会も増える、 ということです。
優良物件とはもちろん、 自分たちの生活をもっとも長期間「幸せにしてくれる」物件に他なりません。 たったひとつの最優先事項(たとえば子供の小学校区)だけで物件を絞り込まず、 周辺の交通アクセス、生活環境の利便性など、 総合的な視野から物件探しをして予算とのバランスをとっていけば、 必ずよい物件にめぐりあえる機会は増えるはずです。
ある程度の期間、広範囲な物件情報に目を通していると、 逆に、予算の範囲で検討すべき地域の候補が見えてくるはずです。 少なくとも地域を限定してしまう前に、 その他の地域の物件の価格帯や周辺の状況なども十分研究してください。
『先入観にとらわれず、幅広い地域から徐々に対象地域を絞り込むこと』
これが、末永くご満足いただける物件獲得への確実な一歩と言えると思います。
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