不動産購入エピソード

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値引き交渉は成功したけれど…

中古物件購入 と、新築物件購入の決定的な違い。
それは購入に際して、物件の持ち主である売り主様と直接交渉する機会が多い、ということです。
特に物件の内容が住居であれば、売り主様の側にも思い入れがある場合がほとんどですから、その交渉に際しては、また独特の気配りが求められることもあります。
今回は、そんな中古住宅の購入にまつわるちょっとした失敗談を紹介しましょう。

その物件は、まだ売り出されて間もないものでした。お客様は目にされてすぐ大変お気に召したようで、購入を前提に価格を総額から50万円下げて交渉してほしい、との依頼がありました。
そこで、早速、売り主様に話を通しました。

その売り主様には、ご自宅の売却が済んだらその年のお盆にはご実家へ帰りたい、という事情もあったので、売却に関してあまりゆっくりしていられる状況ではありませんでした。
そのため、価格交渉は比較的容易に出来ると踏んでいたのですが、想像以上に交渉は難航しました。総額自体、高い物件ではなかったので、マイナス50万円という価格交渉が厳しかったかもしれません。
ですが、売出し直後の広告チラシに反響が全くなかったこともあり、
「売れ残れってしまえば、その時には価格を下げなければならないので、今決断された方が長い目で見ても絶対に得になります」
というように話をして、最終的には渋々という形でご納得いただいたのですが、その後、売り主様が、
「もう、買い主さんの顔を見たくない」
と、言われるのです。

売り主様のお気持ちには十分配慮していたつもりだったので、まさかそのような事を言われるとは思いません。担当者もびっくりしました。売買契約は当事者が会って行うものなので、どうなることか心配しましたが、なんとか調整して無事に終えることが出来ました。

売り主様の率直なご意見もいただけ、結果的に価格交渉も当初の予定通りには出来ましたが、後味の悪い思いでいっぱいでした。
こうしたケースでなくとも、かなり無理な価格交渉をしてその価格を売り主様に拒否され、あわてて価格を上げて再交渉を持ち込んだものの、かえって心証を悪くしてとうとう買えなくなってしまった、という事例も珍しくないのです。

価格の交渉には、微妙な状況判断と交渉術とが要求されます。
今回のケースは幸いにも、契約的には買い主様にご満足いただけるものになりましたが、後味が悪くなるような交渉にならないよう、当社では今後も努力を続けていきたいと思います。


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