購入した土地に建築できない、なんてアリ?
接道義務、という言葉をご存じですか? 今回の「失敗談」では、不動産業界で実際にあった仲介トラブルの事例を紹介します。 事の顛末はこのようなものでした。
1. 買い主は自宅を建てるために売り主業者の社有物件を仲介業者の仲介で購入した。 2. 仲介業者は売り主業者から前所有者が取得済みの建築確認通知書を入手、同書に添付された図面から売買対象土地のみで確認がおりていると判断し、他人所有の部分が含まれていることを確認しないまま、建築可能な土地であると買い主に説明をした。 3. 買い主は仲介業者の説明を信じて売買契約を締結し引き渡しをうけた。その後新築確認を取得し自宅を建設して入居中である。 4. 入居後、建築確認通知書上、公道に接する部分は他人の土地を含んでのことであり、建築基準法上、買い主の接道部分だけでは確認がおりず、建物を建築できないことがわかった。 5. そこで買い主は将来の立て替えが不可能になるとして売り主業者と仲介業者に損害賠償を求めて紛争になった。
買い主側の仲介業者が、売買対象土地の図面だけを見て建築可能であると判断してしまったのが、トラブルの発端です。
売り主業者の言い分は、契約前に仲介業者に測量図及び建築確認通知書などを渡していたので、当社としては仲介業者が買い主にその土地が含まれていない事を説明していると思った、とこう。買い主側の仲介業者の言い分は、売り主業者からそのように建築が出来ると説明を受けているし、交付された図面にもそのように記載されていた、とこうでした。
売り主業者は仲介業者が買い主に接道部分について説明していると思いこんでいましたし、仲介業者も、測量図だけを見て実際の調査を行わず、内容の確認を怠って誤った説明をしていました。結果、売り主業者、仲介業者共に説明、調査をしなかったことを理由で、損害賠償を命じられました。 この事例では、買い主様に直接的な被害こそありませんでしたが、損害賠償を起こす手間など精神的な負担を考えると、このようなトラブルとは無縁でありたいものです。
しかしどんなトラブルにおいても、たいてい悪いのは仲介業者です。 買い主に対する説明を怠ったり調査をしなかったりする不動産業者なんて最低です。 皆さんも、他社で契約をした際にはじゅうぶんご注意ください。重要事項説明書に空白があったら要注意です。5分ぐらいで終わってしまう重要事項説明にも、ご用心を。 なんといっても、当社の重要事項説明は30分以上かかるのですから…!
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