見学依頼が4組も入った人気物件は誰の手に?
それは当社がある年の秋口に情報を入手した物件で、築後4年、場所はかなりの好需要地と、一般的に言う『売れ筋』物件でした。
お客様からの問い合わせも多く、見学のご依頼まで続々と入りましたが、売主様が居住中でしたので、引越しを終えてリフォームも済んでからお客様をご案内する事となり、1ヶ月ほどご案内を待っていただくことになりました。
その数、なんと4組でした。そこで私は、当社のお客様で決まる確率が非常に高いと感じ、売主様に、 「4組も見学依頼が入ってますから、その内のどなたかで決まると思いますよ!」 とお話した上、他業者には売却依頼を出していないことを確認してから、確実にその物件を押さえる段取りを行っていたのでした。そして数週間後のこと、ようやく1組目のお客様をリフォーム完了当日の月曜日にご案内しました。
結果は×でしたが、その週末には残る3組様のご案内を予定していました。しかし週末を目前にしたある日、なんと売主様から、昨日、他の不動産屋のお客様から申し込みが入ったから、とご連絡があったのです。 聞いた途端、頭の中が真っ白になりました。この週末に更に3組の見学予約が入っていることや、他社へは売却依頼をしていない事など、すべて事前に売主様に確認済みだったからです。
しかし売主様が、以前から付き合いのあった他業者にも売却を依頼していた事が判明した以上、その売主様との信頼関係は崩れてしまったと思いました。
とはいえ、嘆いていても仕方がありません。週末にお約束いただいていたお客様には事情を説明し、お断りいたしました。 不動産仲介の世界では、このような出来事も珍しい話ではありません。ですが、大きなお金が動く取引だからこそ、きちんと筋を通して誠実に行っていきたいと、当社営業一同は考えております。
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