アメリカン不動産業者 視察道中膝栗毛(1)
ここが変だよ。日本の不動産仲介
グローバルスタンダード(世界の常識)なんて言葉が一時流行ったように、とりわけ、日本の商売上の慣例や常識が、やもすると外の国から見ると「OH!アンビリーバブル!(おおぅ!理解できないよぉ!)」なんてことも少なくありません。 岐阜県の若手不動産業者を中心に、いままでの当たり前になっている不動産取引の慣行を見直そうとアメリカに行くことになりました。
6日間の日程で、5社の不動産業者を回り(超ハードスケジュール!)、良いものは今後どんどん取り入れていこうと思っています。
なぜ、アメリカだというと、決してユニバーサルスタジオがあるからとかラスベガスのカジノが目的ではなくて(社内でも誤解されて困ってるんですが。)不動産業者の社会的な信用が極めて高い国だからです。 アメリカでは不動産業者が弁護士よりも社会的信用が高いといっても過言ではありません。
かたや悪徳~がつく業種の代名詞タイトルのような日本の不動産業者、何がそんなに違うのかをお届けできればと思います。
旅たちの前に
まず初めに、アメリカに旅立つ前にインターネットで下調べした、アメリカの不動産事情で私が一番興味を持った事をご報告いたします。
まず、不動産仲介は、売り手の依頼する業者が直接買主に仲介するケースがアメリカではほとんどありません。さらに1つの不動産取引に対して複数の会社が介在し、それぞれの業者の役割がはっきり決まっているということにも驚きました。
例えば、中古住宅の仲介の場合、まず売主が不動産業者(①)に売却の依頼をします。 不動産業者は、売り出しの前に見栄えが良くなるように、住宅の装飾業者(②)に装飾を依頼してから、買客に紹介します。 買主がその物件を気に入ったら、購入条件の交渉をバイヤーズエージェント(③)に依頼する。 交渉が成立したら、不動産調査会社(④)に調査をしてもらう。 そして契約成立。
平均でも3社から4社は介在して取引が行われます。そしてそれらの費用は売り主がほとんどの場合負担する様です。 売主が負担するといっても、最終的にはそれはそのまま売価に反映してしまうと思われますので、 買主も他人事ではいられる筈もありません。 たくさんの業者が介在した取引は確かに安心に違いありませんが、費用は高く付いてしまいます。
日本の不動産業者の法定手数料が仕事量との対比で妥当な額かどうか、現状の調査の内容で満足していただいているのか、2つとも悩ましい問題ですが、今回の視察でヒントが見つかればと思ってアメリカへと旅立っていきました。
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