史上最強のバカヤローおじさん登場!
それは、先日ある物件を売買したときのお話です。
お客様を現地へご案内した時に物件と隣地との境界を調べたところ、1ヶ所だけ境界杭が見付からなかったので、早速、専門の測量士に境界杭を設置するよう依頼しました。その後、測量士が隣地の地主さんに話を通してから現地で立ち会いをしたところ、案内の日に発見することが出来なかった境界杭が、見付かりました。
しかし、どうやらその境界杭の位置で測量をすると、資料にあった面積よりも物件が大きくなってしまうことがわかったので、当初予定していた面積を確保できる程度の位置(すなわち隣地の地主さんに対しては少し遠慮した位置)に、新たに境界杭を設置することになりました。
そして翌日のこと。測量士が再度地主さんのお宅を訪ね、前日に設置した境界杭に対しての承諾書をもらおうとしたところ、
「昨晩、何者かの手によって境界杭が動かされたのでその犯人を見つけだすまでは承諾しない!」
と突っぱねられてしまったのです。あ然とした測量士は、昨日までの過程を整理して分かりやすく説明したのですが、なぜか全く話が通じないどころか、最終的には新たに設置したばかりの境界杭を撤去させられることになってしまいました。
しかし、隣地との境界を不明なまま売買することは出来ません。そこで今までの経緯を地主さんに聞くため、物件の担当者である店長が現地へ行きました。と、偶然そこへ地主さんが現れ、店長の顔を見るや否や、
「そこで何してるんだ! バカヤロー」
と怒鳴ってきたのです。勿論、その場で今までの過程を聞こうと、いろいろお話をしたのですが、店長が何か言う度に語尾にバカヤローと言って、元々設置されていた境界杭でさえも認めない等、想像を絶する回答しか返ってこなかったので、もうこれ以上この人に話をしても無駄だということが分かり、引き上げることにしました。
仲介業者というのは、機械を相手に仕事をしている訳ではありません。それは常に生身の人間で、だからこそ「交渉事」が業務最大の柱となるのですが、今回のように一切折れてくれない相手と向き合った場合は、どうしようもありません…。
結果的に、今回のケースについては、すべてをお客様にお伝えした上で、元々の境界杭を現地でご確認頂き、当初の予定より広めの面積になった物件をご購入いただくことになったのでした。
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