不動産の若年取得と相続税
何年か前に20代の方から「30代や40代と比べて給与所得も低く頭金も十分ではないが、20代では実際マイホームが取得できないのではないか?」との相談を受けたので、いろいろとお話を聞くと、実は親から1000万円の援助があるかも知れないとの事でした。子供が住宅を取得する際に、親の援助を受けるという例は珍しくありませんが、このような贈与は一定の要件を満たせば、贈与税が軽減される特例があります。
これを「住宅取得資金の贈与の特例」といいますが、生前贈与の一環として活用すれば、親の相続税対策にもなるのです。その特例とは平成11年度の税制改正で、1500万円(改正前1000万円)までの贈与税を大幅に軽減する制度で、300万円までの贈与については非課税、300万円を超え1500万円までの贈与については、300万円を超える金額の10%の贈与税で済む、画期的な特例なのです。
例えば、今回の方でいうと、1000万円の贈与を受けると、通常では283万円も課税されますが、特例でわずか70万円の贈与税で済み、213万円もの節税ができるというわけです。
不動産取得時の親の援助というのは、とかく遠慮が入ってなかなか具体的な金額が聞き出しにくいもので、そのために条件がなかなか具体的に絞り込めないということがままあります。しかし、相続対策として今の特例でどれだけの減税効果があるかという話題で切り出していけば話し出しやすいのではないでしょうか。大の大人が親のスネをかじるのは親不孝ですが、スネをかじって相続対策になれば逆に親孝行となるかも知れません。(笑)
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