購入後にドッキリしないための税金マメ知識
土地や建物を買ったり家を新築してしばらくすると、税務署から、「買入れられた資産の、買入れ価額などについてのお尋ね」という文書が送られてきます。
この文書には、勤務先や収入、購入価格、売り主、取得代金の調達方法と支払方法の記入欄があり、記入して税務署に返送するようになっています。
ほとんどの人は、ありのままを書いて返送すれば、その後は音沙汰なしです。 ところが中には、再度税務署から連絡があり、いろいろと質問されてしまうケースもあります。所得からみて購入価格が異常に高かったりする場合などに、所得隠しや贈与の疑いを持たれてしまうのです。
所得隠しなどはもっての他なのですが、何をもって贈与とするかという解釈も、なかなか複雑です。例えば、妻の預金や子供が積み立てた定期預金などを足して夫名義の家を建てた場合、それは贈与にあたってしまうのでしょうか…?
ここに、一人の勤勉なお父さんがせっせと働いて貯金していたとします。 でも、日ごろのお母さんの家事仕事に答えてあげたくて、お母さん名義で通帳をこしらえてありました。 さて、時は流れて夫婦で家を購入することになりました。そしてその家をお父さんの名義に登記しました…。美しい夫婦の物語です。 しかし、この場合、税金的には三つの解釈が成り立ってしまいます。
- お父さんはお父さんのお金でお父さんの家を買った。
- お父さんはお母さんに給料を支払い、お母さんは不動産購入にあたってそのお金をお父さんに贈与した。
- お父さんはお母さんにお金を贈与し、さらにお母さんは不動産購入にあたってそのお金を再びお父さんに贈与した。
なんと、税務署への申告の仕方次第では、三番目の解釈によって贈与税が二重にかかる場合もあるのです。 もちろんほとんどの場合、税務署にも根拠や確証はありませんので、きちんと説明すれば問題ありませんが、わずかでも疑いをかけられるような状況は避けたいものです。そうならないようにするには、どうすればいいのでしょう?
そう、共有名義です。 最近、共働き夫婦で共有名義を希望される方が増えています。それには、取得した住まいの所有権を登記所で登記する際、取得代金の出資割合に応じて共有登記すればいいのです。
一生懸命、夫婦で働いて手に入れる不動産。協力して買った不動産を二人で登記できるなんて幸せなことですね。
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