縁起と物件探し
物件探しをする上で、方角や買い主様の年周りを気にされる方は結構みえるようです。
例えば先日仲介をさせていただいた、ご結婚を期に土地を買って家を建てられたお客様の場合。 婚約者のお父様が色々な事を気にされる方で、
「家を出て行く娘は、実家よりも北に家を建てるな」
とおっしゃられたらしく、物件を探すにあたってエリアが狭くなってしまい、だいぶお困りになってみえました。
「高額なお買い物ですから、妥協だけはされない方が良いですよ」
とだけアドバイスさせていただきましたが、なんとか無事に物件も見付かり、一安心という出来事でした。
やはりご年配の方ほど、縁起を気にされる割合は高い感じがします。縁起かつぎや家相などには、長い年月のうちに生まれた生活の知恵が含まれてこともあるので、一概に無視してしまえないのも事実です。 例えば西風が多い日本では、南西の方角にトイレや畜舎など臭いを発するものを配置すると、家の中に常に臭気が漂ってしまうのでよろしくありません。また、同じ理由で台所を北東に配置するのも、かまどの煙が室内にこもってしまわないためだとか…。
換気設備や衛生設備の整った現代において、その全てが今でも該当するということはないかもしれません。 むしろ、円満な家族関係を維持するため、周囲の意見に良く耳を傾け、助言を受ける姿勢を見せることが、縁起かつぎや家相よりも重要なのでは、と思います。ご親族がいろいろなご意見をくださるのも、買い主様を思えばこそ、愛情があるからこそです。
いざ物件購入のお申込みをしてしまった後で、親類や家族と意見が合わないことを理由にキャンセルしてしまえば、買い主様ご自身の信用を落としてしまうことになります。 また、購入物件に関する意見の相違で、せっかくそれまでうまくいっていた一族の関係がギクシャクしてしまっては、何のためのマイホーム購入かもわからなくなってしまいます。
大切なのは、物件探しを始める前に周囲の人たちと良く話し合って、それぞれの価値観とすり合わせを行っておくこと。
マイホームのご購入は、買い主様ご一家のみならず、ご一家を取り巻く皆様すべての幸せにつながるものであるべきですから。
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